釉薬名 |
特徴 |
調合例 |
備考 |
黒天目釉 |
鉄に依る黒い釉薬で、縁部分などが明るい柿色となるもの。 |
@ 福島長石 45.37% 福島珪石 30.25% 韓国カオリン 7.85%
マグネサイト 2.10% 石灰石14.43%
酸化鉄8〜10%(外割)
A 釜戸長石 58.72% 福島珪石 17.12% 韓カオリン7.53%
マグネサイト 2.11% 石灰石 14.52%
酸化鉄8〜10%(外割)
B 平津長石 54.82% 福島珪石 27.10% 韓国カオリン 4.50%
マグネサイト 1.72% 石灰石 11.86%
酸化鉄8〜10%(外割) |
よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
黒織部釉
(元屋敷窯) |
江戸時代初期に古田織部の好みに従って作られたという黒織部。
元屋敷窯からの発掘破片での定量分析資料からの調合計算です。
瀬戸黒と同じ技法によって引き出され急冷された物として伝えられている。 |
@福島長石 44.59% 福島珪石 12.77% 韓国カオリン 29.25%
石灰石 10.50% マグネサイト 2.90%
酸化鉄9.5% 骨灰1.2% 二酸化マンガン0.82%
酸化チタン 0.67%
A釜戸長石 57.80% 韓国カオリン 29.20% 石灰石 10.51%
マグネサイト 2.93%
酸化鉄9.5% 骨灰1.2% 二酸化マンガン0.82%
酸化チタン 0.67%
B平津長石 54.12% 福島珪石 12.58% 韓国カオリン 22.29%
石灰石 8.61% マグネサイト 2.40%
酸化鉄9.5% 骨灰1.2% 二酸化マンガン0.82%
酸化チタン 0.67%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
黒織部釉
(隠居表窯) |
江戸時代初期に古田織部の好みに従って作られたという黒織部。
隠居表窯からの発掘破片での定量分析資料からの調合計算です。
瀬戸黒と同じ技法によって引き出され急冷された物として伝えられている。 |
@福島長石 28.86% 福島珪石 28.49% 韓国カオリン 27.31%
石灰石 9.45% マグネサイト 5.89%
酸化鉄10.6% 骨灰4.5% 二酸化マンガン1%
酸化チタン0.69%
A釜戸長石 37.34% 福島珪石 20.27% 韓国カオリン 27.08%
石灰石 9.45% マグネサイト 5.85%
酸化鉄9.5% 骨灰1.2% 二酸化マンガン0.82%
酸化チタン 0.67%
B平津長石 37.35% 福島珪石 26.68% 韓国カオリン 22.58%
石灰石 8.27% マグネサイト 5.12%
酸化鉄9.5% 骨灰1.2% 二酸化マンガン0.82%
酸化チタン 0.67%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
黒織部釉
(高根窯沢窯) |
江戸時代初期に古田織部の好みに従って作られたという黒織部。
高根窯沢窯からの発掘破片での定量分析資料からの調合計算です。 瀬戸黒と同じ技法によって引き出され急冷された物として伝えられている |
@福島長石 61.32% 福島珪石 3.61% 韓国カオリン 4.98%
石灰石 24.13% マグネサイト 5.96%
酸化鉄14% 骨灰2.96% 二酸化マンガン1.43% 酸化チタン 1.08%
A釜戸長石立ての調合は、珪酸分過多となり成立しなかった。
B平津長石 70.64% 福島珪石 5.38% 韓国カオリン 0.68%
石灰石 18.71% マグネサイト 4.59%
酸化鉄14% 骨灰2.96% 二酸化マンガン1.43% 酸化チタン 1.08%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
織部透明釉
(古陶) |
黒織部の掛け分けに使用されていた透明釉部分の分析値からの調合例です。
ちょっと意外な感じは受けましたが、木灰はそれほど混合されていないようでもありますが、おそらくは現地で採取された、長石質の岩石の単味ではないかとの推測も成り立つような成分です。 |
@福島長石 79.24% 福島珪石 10.46% 韓国カオリン 7.93%
石灰石 2.04% マグネサイト 0.32%
酸化鉄0.61% 酸化チタン0.28%
A釜戸長石立ての調合は、珪酸分過多となり成立しなかった。
B平津長石 84.58% 福島珪石 10.99% 韓国カオリン 2.71%
石灰石 1.53% マグネサイト 0.19%
酸化鉄0.61% 酸化チタン0.28% |
よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
青織部釉 |
古陶の青織部釉は、高アルカリ釉に銅成分が融け込んだものと考えられます。
また、窯焚きは昇温期に適度な還元作用を受けたと考えられ、掛け分けの製品の交差部分の赤色はそれを物語っています。
本来、風格のある青織部を得ようとすると、木灰の吟味が必要である事は、間違い有りません。 |
@福島長石 21.40% 福島珪石 11.01% 韓国カオリン 4.58%
石灰石 51.73% マグネサイト 11.27%
過酸化銅2%
A釜戸長石 27.60% 福島珪石 4.78% 韓国カオリン 4.42%
石灰石 51.89% マグネサイト 11.30%
過酸化銅2%
B平津長石 28.54% 福島珪石 11.15% 韓国カオリン 3.14%
石灰石 46.94% マグネサイト 10.23%
過酸化銅2%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
禾目天目釉
(建窯天目釉) |
建窯の代表的な製品、というよりも、ほとんどはこの禾目天目です。
中国で発表された成分分析を元に調合計算をしています。
しかし、この調合から禾目を発色させる事は非常に困難であると云えます。
耀変天目も油滴天目も調合自体は、この分析値とそれほど変わらない筈ですが、調合以前に、天然原料の持つ神秘さと、窯焚きの神秘さを感じさせるのが建窯製品です。 |
@福島長石 19.91% 福島珪石 27.50% 韓国カオリン 36.77%
石灰石 11.68% マグネサイト 4.14%
酸化鉄5.73% 酸化チタン0.62% 骨灰1.84%
A釜戸長石 25.68% 福島珪石 21.75% 韓国カオリン 36.71%
石灰石 11.71% マグネサイト 4.15%
酸化鉄5.73% 酸化チタン0.62% 骨灰1.84%
B平津長石 26.73% 福島珪石 26.20% 韓国カオリン 32.63%
石灰石 10.67% マグネサイト 3.78%
酸化鉄5.73% 酸化チタン0.62% 骨灰1.84%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
吉州窯天目釉
(玳玻盞) |
木の葉天目や型抜き紋様を代表とする玳玻盞の中国発表の成分分析を元に調合計算をしています。
鉄分が少ないような気がするのですが、他の文献の分析値も同じような値を示している為、もしかすると上掛けしている白釉が混ざった状態での分析値かもしれません。
釉の傾向は掴めると思います。 |
@福島長石 17.25% 福島珪石 37.75% 韓国カオリン 27.31%
石灰石 13.09% マグネサイト 4.60%
酸化鉄2.7% 二酸化マンガン1.35% 酸化チタン1.6%
A釜戸長石 22.24% 福島珪石 32.80% 韓国カオリン 27.24%
石灰石 13.12% マグネサイト 4.61%
酸化鉄2.7% 二酸化マンガン1.35% 酸化チタン1.6%
B平津長石 23.43% 福島珪石 35.84% 韓国カオリン 24.40%
石灰石 12.09% マグネサイト 4.25%
酸化鉄2.7% 二酸化マンガン1.35% 酸化チタン1.6%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
青磁釉
(一般的な値) |
典型的な石灰立ての青磁釉ですが、龍泉窯や効壇窯などは、基本的にこのタイプの青磁と云えます。
しかし、当時は石灰よりも木灰を使用しておりますので、この石灰を木灰に置き換えて吟味する必要が生まれます。
また素地土の質や鉄分料にも釉調が大きく左右されます。 |
@ 福島長石 33.99% 福島珪石 38.85% 韓国カオリン 5.88%
マグネサイト 2.36% 石灰石 18.92%
珪酸鉄2%(外割)
A 釜戸長石 43.92% 福島珪石 29.07% 韓国カオリン 5.88%
マグネサイト 2.37% 石灰石 18.92%
珪酸鉄2%(外割)
B 平津長石 42.99% 福島珪石 35.18% 韓国カオリン 3.53%
マグネサイト 2.03% 石灰石 16.28%
珪酸鉄2%(外割) |
よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
青磁釉
(龍泉窯) |
中国で発表された龍泉窯の窯跡から発見された「粉青」と呼ばれる釉調の物の成分分析からの抜粋です。
日本の材料に置き換えて試算しています。
実際の龍泉窯ではおそらく木灰を用いて青磁を制作していたでしょうから、これらの分析値から推察して、釉調合を行う事になります。 |
@福島長石 30.94% 福島珪石 31.86% 韓国カオリン 21.81%
石灰石 14.14% マグネサイト 1.25% 骨灰0.45%
酸化鉄0.96%
A釜戸長石 39.95% 福島珪石 22.93% 韓国カオリン 21.66%
石灰石 14.21% マグネサイト 1.26 骨灰0.45%
酸化鉄0.96%
B平津長石 39.62% 福島珪石 29.37% 韓国カオリン 17.60%
石灰石 12.33% マグネサイト 1.09% 骨灰0.45%
酸化鉄0.96%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
青磁釉
(越州窯) |
越州窯で唐の時代から宋の時代にかけて焼かれた窯跡の破片からの分析を元に調合を割り出した物です。
古陶の釉層は非常に薄く、素地はとても焼き締まっています。
元の釉薬は灰釉です。 |
@福島長石 9.99% 福島珪石 36.22% 韓国カオリン 24.35%
石灰石 24.46% マグネサイト 4.98%
酸化鉄2.31% 骨灰1.6% 酸化チタン0.67%
A釜戸長石 12.86% 福島珪石 33.36% 韓国カオリン 24.31%
石灰石 24.49% マグネサイト 4.99%
酸化鉄2.31% 骨灰1.6% 酸化チタン0.67%
B平津長石 14.01% 福島珪石 35.15% 韓国カオリン 22.75%
石灰石 23.35% マグネサイト 4.75%
酸化鉄2.31% 骨灰1.6% 酸化チタン0.67%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
青磁釉
(耀州窯) |
宋の時代から金の時代にかけて焼かれた代表的な青磁窯であり、刻花紋の青磁の破片からの分析値を使用。
釉色はオリーブグリーン色を呈している。
早い時代から石炭窯を使用したと伝えられている窯。 |
@福島長石 17.79% 福島珪石 36.09% 韓国カオリン 25.68%
石灰石 16.74% マグネサイト 3.70%
酸化鉄 1.9% 骨灰0.8% 酸化チタン0.65%
A釜戸長石 22.94 % 福島珪石 30.98% 韓国カオリン 25.60%
石灰石 16.78% マグネサイト 3.71%
酸化鉄 1.9% 骨灰0.8% 酸化チタン0.65%
B平津長石 24.10% 福島珪石 34.25% 韓国カオリン 22.81%
石灰石 15.43% マグネサイト 3.41
酸化鉄 1.9% 骨灰0.8% 酸化チタン0.65%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
青磁釉
(郊壇官窯) |
龍泉窯と並び称される郊壇官窯の青磁ですが、これは中国で発表された成分分析表から起こした調合例です。
また、郊壇官窯というと貫入が話に登る事が多いのですが、これは素地土と一緒に定量分析を試みないと、理解する事は難しいと思われます。 |
@福島長石 19.71% 福島珪石 30.79% 韓国カオリン 24.44%
石灰石 23.08% マグネサイト 1.99%
酸化鉄1.27% 骨灰2.1%
A釜戸長石 25.41% 福島珪石 25.11% 韓国カオリン 24.35%
石灰石 23.14% マグネサイト 1.99%
酸化鉄1.27% 骨灰2.1%
B平津長石 26.47% 福島珪石 29.22% 韓国カオリン 21.40%
石灰石 21.09% マグネサイト 1.82%
酸化鉄1.27% 骨灰2.1%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
青磁釉
(汝窯) |
中国で発表された汝窯の平盤の成分分析の数値から割り出した、調合例です。
汝窯の青磁が鈞窯の月白釉と同系統の物である事は間違いのない処だと思いますが、この成分分析からはそれらの値は感じられないのが不思議なところです。 |
@福島長石 35.36% 福島珪石 18.59% 韓国カオリン 19.14%
石灰石 22.59% マグネサイト 4.32%
酸化鉄1.72% 骨灰2.01% 酸化チタン0.62%
A釜戸長石 45.51% 福島珪石 8.68% 韓国カオリン 18.87%
石灰石 22.61% マグネサイト 4.33%
酸化鉄1.72% 骨灰2.01% 酸化チタン0.62%
B平津長石 44.35% 福島珪石 18.01% 韓国カオリン 14.76%
石灰石 19.20% マグネサイト 3.69%
酸化鉄1.72% 骨灰2.01% 酸化チタン0.62%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
青白磁釉
(影青) |
宋時代の陶片からの分析値を元に調合計算をしていますが、中国側から窯名の発表はありません。 |
@福島長石 14.28% 福島珪石 35.84% 韓国カオリン 27.32%
石灰石 21.73% マグネサイト 0.83%
酸化鉄1.11% 酸化チタン0.07% 骨灰0.16%
A釜戸長石 18.20% 福島珪石 31.90% 韓国カオリン 27.27%
石灰石 21.76% マグネサイト 0.87%
酸化鉄1.11% 酸化チタン0.07% 骨灰0.16%
B平津長石 19.45% 福島珪石 34.48% 韓国カオリン 24.91%
石灰石 20.34% マグネサイト 0.81%
酸化鉄1.11% 酸化チタン0.07% 骨灰0.16%
|
よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
飴釉 |
民芸陶器などでよく見かける飴釉ですが、黒天目などと見比べてください、鉄分は多いのに真っ黒にはなっていません。
アルカリの勝った釉の中では鉄分は懸濁できずに透明性を持っています。
多少、極端な調合例にしていますが、特徴はよく現れていると思います。 |
@福島長石 40.39% 福島珪石 26.93% 韓国カオリン 6.99%
赤坂石灰石 25.69% 酸化鉄10〜12%(外割)
A釜戸長石 52.23% 福島珪石 15.23% 韓国カオリン 6.70%
赤坂石灰石 25.84% 酸化鉄10〜12%(外割)
B平津長石 49.77% 福島珪石 24.60% 韓国カオリン 4.08%
石灰石 21.54% 酸化鉄10〜12%8外割) |
よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
辰砂釉 |
天然の水銀鉱物の名前を冠した釉薬。
透明釉に同成分を添加し還元焼成する事で得られるが、縁部分などは透明化し易くなる。
この基本的な釉に錫、骨灰など様々な添加物を加える事で色調が変化する。 |
@ 福島長石 30.94% 福島長石 30.94% 韓国カオリン 18.10%
石灰石 12.30% マグネサイト 4.29%
炭酸バリウム 4.87% 酸化銅1.5%
A 釜戸長石 39.96% 福島珪石 20.57% 韓国カオリン 17.92%
石灰石 12.35% マグネサイト 4.31%
炭酸バリウム 4.89% 酸化銅1.5%
B 平津長石 39.62% 福島珪石 27.33% 韓国カオリン 14.36%
石灰石 10.72 マグネサイト 3.74% 炭酸バリウム 4.24%
酸化銅 1.5%
|
よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
澱青釉
(鈞窯釉) |
一般的に鈞窯釉として知られる物で、月白釉に銅成分を混ぜたり、筆塗りしたり、噴霧したと思われる釉調が一般的なものです。
日本では藁灰を混入したりしますが、本家の釉はそういった類の物では無く、木灰の失透釉です。
中国で分析された物であり、どのような部分を採取して定量分析したのかは定かではありませんが、釉の性質は掴めると思います。 |
@福島長石 51.01% 福島珪石 28.28% 石灰石 18.31%
マグネサイト 2.56%
酸化鉄2.4% 酸化チタン0.53% 燐酸0.92% 酸化銅 1.2%
A釜戸長石 66.94% 福島珪石 12.76% 石灰石 18.33%
マグネサイト 2.58%
酸化鉄2.4% 酸化チタン0.53% 燐酸0.92% 酸化銅 1.2%
B平津長石 60.89% 福島珪石 24.72% 石灰石 14.66%
マグネサイト 2.05%
酸化鉄2.4% 酸化チタン0.53% 燐酸0.92% 酸化銅 1.2%
|
よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
トルコ青釉 |
本来は中近東地域にて焼かれた澄んだ青色をした低火度釉ですが、近年高温度で焼けるものに改良され使用されています。
アルカリ成分の勝った釉薬に銅が融け込んだ物で、コバルト系で得る青色よりも明るく清々しい色調が得られる。
また、艶消し釉や失透釉とする事も可能。 |
@福島長石 36.24% 福島珪石 22.45% 韓国カオリン 10.00%
炭酸リチウム 8.50% 炭酸バリウム 22.81% 酸化銅2%
A釜戸長石 46.84% 福島珪石 11.94% 韓国カオリン 9.76%
炭酸リチウム 8.55% 炭酸バリウム 22.92% 酸化銅2%
B平津長石 38.17% 福島珪石 18.87% 韓国カオリン 3.13%
炭酸リチウム 4.57% 炭酸バリウム20.43% 酸化銅2%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
油滴天目釉
(磁州窯系) |
一般的によく知られた、磁州窯系諸窯で焼かれたと言われるタイプの油滴天目釉です。
高温度下での酸化鉄からの分解発泡痕に鉄分が集積結晶化した斑点模様で、通常は銀色もしくは茶色に呈色する。
コバルトやマンガンを添加して、斑点の呈色を銀色化するなどが行われるケースが多いが、本来は様々な天然原料の不純物によって、銀色化していると思われる |
@福島長石 20.56% 福島珪石 43.74% 韓国カオリン 23.46%
石灰石 6.54% マグネサイト 5.70% 酸化鉄8%(外割)
A釜戸長石 26.52% 福島珪石 37.85% 韓国カオリン 23.36%
石灰石 6.56% マグネサイト 5.71% 酸化鉄8%(外割)
B平津長石 27.52% 福島珪石 40.95% 韓国カオリン 20.38%
石灰石 5.96% マグネサイト 5.19% 酸化鉄8% |
よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
景徳鎮染付釉
(明時代サンプルから) |
景徳鎮の青花大盤に使用された透明釉の成分からの計算です。
媒溶作用剤が木灰だけではない事をうかがわせる成分ですが、どうでしょうか。
景徳鎮の場合には消石灰をも多用されたと聞いた事がありますので、それだと納得のいくものかもしれません。 |
@福島長石 53.97% 福島珪石 22.06% 石灰石 13.80%
韓国カオリン 9.31% マグネサイト 0.86% 酸化鉄0.83%
A釜戸長石 70.51% 福島珪石 6.02% 石灰石 13.91%
韓国カオリン 8.74% マグネサイト 0.82% 酸化鉄0.83%
B平津長石 63.49% 福島珪石 19.93% 石灰石 10.96%
韓国カオリン 4.97% マグネサイト 0.65% 酸化鉄0.83% |
よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
定窯白磁釉
(唐時代サンプルから) |
定窯と言えば、白磁の名窯であり、刻花や印花などの優れた技術を駆使し、非常に高温度で薄く焼かれた素地と言われますが、まさにそれを裏付けるような釉組成です。
景徳鎮などに比べても30度は焼成温度が高かったのではないでしょうか。
また、定窯は華北で石炭窯を使用した事でも知られます。 |
@福島長石 14.54% 福島珪石 41.31% 石灰石 9.37%
韓国カオリン 31.33% マグネサイト 3.45% 酸化鉄0.44%
A釜戸長石 18.31% 福島珪石 37.36% 石灰石 9.40%
韓国カオリン 31.44% マグネサイト 3.49% 酸化鉄0.44%
B平津長石 19.55% 福島珪石 39.59% 石灰石 8.79%
韓国カオリン 28.81% マグネサイト 3.26% 酸化鉄0.44%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
鞏県窯白磁釉
(唐時代サンプルから) |
河南省鞏県に存在した白磁の名窯。
素地に柔らかみがある白磁で日本人好み。
唐時代に栄えた。
白磁の表面もあまりテカらずに絹のような光沢を称えている。
焼成温度は意外と低そうで
1200度にいくか、行かないかくらいで長時間焼成か。 |
@福島長石 37.33% 福島珪石 24.92% 石灰石 19.44%
韓国カオリン 14.68% マグネサイト 3.63% 酸化鉄0.84%
A釜戸長石 48.02% 福島珪石 14.25% 石灰石 19.54%
韓国カオリン 14.54% マグネサイト 3.65% 酸化鉄0.84%
B平津長石 46.38% 福島珪石 23.13% 石灰石 16.51%
韓国カオリン 14.54% マグネサイト 3.65% 酸化鉄0.44% |
よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
ルチール結晶釉
(朱金地釉) |
ルチール結晶釉または朱金地釉と呼ばれる、朱赤の地に金色の結晶が生まれる釉薬です。 チタンの鉱石は、イルメナイト(またはチタン鉄鉱、FeTiO3)や金紅石(またはルチル、TiO2)、板チタン石(TiO2)、ペロブスカイト(または灰チタン石、CaTiO3)などが存在する。
|
@福島長石 30.74% 福島珪石 36.10% 韓国カオリン 3.21%
石灰石 19.56% 亜鉛華 3.95% 炭酸バリウム 6.45% 弁柄8% 酸化チタン10%
A釜戸長石 39.70% 福島珪石 27.25% 韓国カオリン 2.97%
石灰石 19.64% 亜鉛華 3.96% 炭酸バリウム 6.48%
弁柄8% 酸化チタン10%
B平津長石 39.40% 福島珪石 33.09% 石灰石 17.05%
韓国カオリン 1.39% 亜鉛華 3.44% 炭酸バリウム 5.62% 弁柄8% 酸化チタン10%
|
よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
マンガン結晶釉 |
黒鉄色の地に茶褐色の扇型の大型結晶の出る釉薬。
名が知られている割に、使用した作品をあまり見かけないような気がする。
その分、研究がされ尽くされた感が無いので、他の金属酸化物との組み合わせで、意外な発色をする可能性も無くはない。 |
@福島長石 31.93% 福島珪石 38.94% 韓国カオリン 8.81%
石灰石 20.31%
二酸化マンガン30% 酸化チタン5%
A釜戸長石 41.25% 福島珪石 29.76% 韓国カオリン 8.59%
石灰石 20.40%
二酸化マンガン30% 酸化チタン5%
B平津長石 40.73% 福島珪石 35.45% 韓国カオリン 6.20%
石灰石 17.63%
二酸化マンガン30% 酸化チタン5%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
チタン結晶釉 |
酸化金属無添加の状態では艶消しぎみの白地に白い円状結晶。
金属酸化物の添加で様々なパステル調発色の結晶釉となる。
塩化金属などを釉薬上から染みこませても、面白い効果を得る事が出来る。 |
@福島長石 65.28% 福島珪石 0.18% 韓国カオリン 0.63%
石灰石 5.37% 炭酸リチウム 4.75% 炭酸バリウム 14.17%
炭酸ストロンチウム 9.63%
酸化チタン6〜10%
A釜戸長石は珪酸分過多となり計算上合致せず。
B平津長石 73.15% 福島珪石 3.11% 石灰石 4.09%
炭酸リチウム 4.75% 炭酸ストロンチウム 9.63% 炭酸バリウム 10.80% 化チタン6〜10% |
よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
亜鉛結晶釉 |
結晶釉の中でも代表的なものが、この亜鉛結晶釉だと思います。
調合例は亜鉛華を必要最低限で計算しておりますので、試験によって添加量を増やします。
珪酸亜鉛の結晶ですので、それが成り立つように設定します。 |
@福島長石 15.95% 福島珪石 43.33% 韓国カオリン 12.61%
石灰石 3.80% 炭酸バリウム 6.90% 亜鉛華 17.40%
A釜戸長石 20.56% 福島珪石 38.76% 韓国カオリン 12.51%
石灰石 3.81% 炭酸バリウム 6.92% 亜鉛華 17.44%
B平津長石 21.78% 福島珪石 41.15% 韓国カオリン 10.95%
石灰石 3.54% 炭酸バリウム 6.41% 亜鉛華 16.17% |
よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
金色ラスター釉 |
非常に不安定な釉です。
二酸化マンガンを利用したラスターであり、フッ素化合物や銅成分を発色の補助成分として利用します。
焼成時に単純に酸化焼成ではなく、ある時期での還元焼成が効果があるようです。 |
@福島長石 88.19% 福島珪石 0.26% 韓国カオリン 0.46%
石灰石 1.04% 亜鉛華 5.03% 炭酸リチウム 1.92%
炭酸ストロンチウム 3.10%
二酸化マンガン20% 蛍石5% 酸化銅3% 酸化クロム0.5%
A珪酸分過剰により不適合。
B平津長石 92.50% 福島珪石 3.94% 亜鉛華 3.59%
石灰石 0.74% 炭酸リチウム 1.37% 炭酸ストロンチウム 0.83%
二酸化マンガン20% 蛍石5% 酸化銅3% 酸化クロム0.5%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
茶金石結晶釉
(アヴェンチュリン釉) |
茶褐色の地に金色の砂鉄のような細かな結晶がキラキラと輝く結晶釉薬。
酸化鉄や酸化チタンを磁砂鉄、黒浜に置き換えると、もっと自然で変化に富んだ結晶釉が得られる。 |
@福島長石 40.24% 福島珪石 29.92% 石灰石 12.40%
マグネサイト 12.89% 亜鉛華 4.84%
酸化鉄10% 酸化チタン10%
A釜戸長石 52.04% 福島珪石 18.28% 石灰石 12.47%
亜鉛華 4.87% マグネサイト 12.97%
酸化鉄10% 酸化チタン10%
B平津長石 49.61% 福島珪石 27.12% 石灰石 10.40%
マグネサイト 10.82% 亜鉛華 4.06%
酸化鉄10% 酸化チタン10%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
ジオプサイト結晶 |
釉薬の中に透輝石(ジオプサイト)の結晶を発達させた釉薬。
蕎麦釉と同じくマグネシウム関連の結晶であり、様々な金属成分で着色可能。 |
@福島長石 19.99% 福島珪石 23.99% 韓国カオリン 0.99%
石灰石 31.80% マグネサイト 13.85% 炭酸リチウム 9.38%
A釜戸長石 25.78% 福島珪石 18.20% 韓国カオリン 0.83%
石灰石 31.89% マグネサイト 13.89% 炭酸リチウム 9.41%
B平津長石 26.82% 福島珪石 22.99% 石灰石 29.03%
マグネサイト 12.65% 炭酸リチウム 8.57%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
パールラスター釉
(オパールラスター釉) |
真珠貝(アコヤ貝)の内側のような光沢を持ったラスター釉ですが、酢の物などの酸性食物を盛りつけるような食器には使用しない方が宜しいかと思います。
また、それによって虹色は消えてしまいます。 |
KNaO 0.12
ZnO 0.30 0.15 Al2O3 2.10 SiO2
PbO 0.58
メタバナジン酸アンモン2% |
訳あって、ゼーゲル式表示とします。 |
マンガンラスタ釉
(玉虫ラスター釉) |
濃褐色の地に、石油染みのような虹色のラスターが現れる釉薬。 酢の物などの酸性食物を盛りつけるような食器には使用しない方が宜しいかと思います。
また、それによって虹色は消えてしまいます。
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KNaO 0.08
ZnO 0.16 0.15 Al2O3 1.50 SiO2
PbO 0.40
二酸化マンガン20%以上 メタバナジン酸アンモン3%
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訳あって、ゼーゲル式表示とします。 |
鉄赤釉 |
元々は磁器用還元焼成で使用されていたものを、1960年代に名工試によって開発された、緑味の茶色地に赤い結晶性の色つきをする釉薬。
還元焼成用の調合をした方が美しい発色はし易いが、一般的には、酸化焼成で使用される事が多い。 |
@福島長石 43.32% 福島珪石 37.12% 韓国カオリン 4.52%
石灰石 8.04% マグネサイト 7.00%
酸化鉄15% 骨灰12%
A釜戸長石 56.04% 福島珪石 24.63% 韓国カオリン 4.19%
石灰石 8.09% マグネサイト 7.05%
酸化鉄15% 骨灰12%
B平津長石 52.76% 福島珪石 32.91% 韓国カオリン 1.87%
石灰石 6.66% マグネサイト 5.80%
酸化鉄15% 骨灰12%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
黄瀬戸釉 |
黄瀬戸は高珪酸高アルカリの基礎釉に鉄分が2%ほど混入した物です。
本格的に風格のあるものを得ようとしますと、どうしても木灰類の吟味が必要となります。
また、窯焚きにも独特の方法がある事と、最適な温度幅は5度ほどの狭いレンジとなりますので、使用する窯の特性を熟知する必要もあります。
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@福島長石 39.29% 福島珪石 21.20% 韓国カオリン 4.10%
石灰石 35.41%
酸化鉄2%
A釜戸長石 50.81% 福島珪石 9.79% 韓国カオリン 3.80%
石灰石 35.61%
酸化鉄2%
B平津長石 48.63% 福島珪石 19.83% 韓国カオリン 1.72%
石灰石 29.82%
酸化鉄2%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
伊羅保釉
(条痕性) |
条痕性の伊羅保釉です。
高アルカリの釉にアルミナ分が多く融け込んだ物で、艶消し状の条痕を示すものを伊羅保釉と呼んでいるようです。
高麗の黄伊羅保とはまた違った趣の物ですが、釉掛けの厚さによって、表情が大きく変化します。 |
@福島長石 22.65% 福島珪石 13.04% 韓国カオリン 31.90%
石灰石 32.41%
酸化鉄6%
A釜戸長石 29.21% 福島珪石 6.45% 韓国カオリン 31.82%
石灰石 32.52%
酸化鉄6%
B平津長石 30.04% 福島珪石 12.99% 韓国カオリン 27.72%
石灰石 29.25%
酸化鉄2%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
柿釉 |
昭和40年代頃までは、各家庭には必ずと言っても良いほど甕があり、また空き地には土管が転がっていたものですが、これらの多くに使用されていたのが、この柿釉の仲間です。
調合例は比較的明るい色調のものですが、マグネシア原料が増すと、色合いは暗くなります。
近年は、酸化チタンを適量加えるなどして、黄色みを帯びた色調のものが多いようです。 |
@福島長石 55.22% 福島珪石 27.29% 韓国カオリン 5.76%
石灰石 8.99% マグネサイト 2.73%
酸化鉄10%
A釜戸長石 71.57% 福島珪石 11.26% 韓国カオリン 5.36%
石灰石 9.06% マグネサイト 2.75%
酸化鉄10%
B平津長石 64.24% 福島珪石 24.21% 韓国カオリン 2.27%
石灰石 7.12% マグネサイト 2.16%
酸化鉄10% |
よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
蕎麦(そば)釉 |
黒い地に緑色や黄色の細かな結晶が析出する釉薬。
マグネシア成分が多くなるに従って色調が暗くなり、過ぎると結晶の析出が多すぎて艶消し状の釉薬となる。 |
@福島長石 50.83% 福島珪石 22.26% 韓国カオリン 4.19%
石灰石 14.55% マグネサイト 8.17%
酸化鉄10%
A釜戸長石 65.84% 福島珪石 7.48% 韓国カオリン 3.80%
石灰石 14.66%
マグネサイト 8.23%
B平津長石 60.13% 福島珪石 20.36% 韓国カオリン 1.23%
石灰石 11.71% マグネサイト 6.58%
酸化鉄10%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
乳白釉
(錫乳白釉) |
酸化錫を6〜10%程度添加して得る乳白釉。
スペインが発祥の地であり、イタリアにて成熟した。
一般的にはマジョリカ陶として有名であり、この基本釉に様々な着色剤を添加する事でパステル調の色釉を得る事が出来る。 |
@福島長石 40.39% 福島珪石 26.93% 韓国カオリン 6.99%
石灰石 25.69%
酸化錫6%
A釜戸長石 52.23% 福島珪石 15.23% 韓国カオリン 6.70%
石灰石 25.84%
酸化錫6%
B平津長石 49.77% 福島珪石 24.60% 韓国カオリン 4.08%
石灰石 21.54%
酸化錫6%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
乳白釉
(ブリストル釉) |
石灰・亜鉛による乳白釉で、通常はブリストル釉と呼ばれる事が多い。
各種金属酸化物を添加すると、石灰釉とは全く違う色調になる事がある。
クロムを添加したピンク色は有名であり、タイルなどに多用されている。 |
@福島長石 38.66% 福島珪石 1.18% 韓国カオリン 34.32%
石灰石 8.32% 亜鉛華 17.51%
A珪酸分過多で適合せず。
B平津長石 47.97% 福島珪石 2.95% 韓国カオリン 27.27%
石灰石 7.02% 亜鉛華 14.79%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
乳白釉
(ジルコン乳白) |
比較的最近になって使用頻度の増した乳白釉。
釉に融けきれないジルコンが浮いた物で、石灰系釉薬よりもドロマイト系(マグネシア系)釉薬に添加した方が効果が高い。 |
@福島長石 68.93% 福島珪石 8.70% 石灰石 18.27%
マグネサイト 6.37%
酸化ジルコニウム8%
A釜戸長石の珪酸分過多で適合せず。
B平津長石 76.24% 福島珪石 9.65% 石灰石 13.75%
マグネサイト 4.79%
酸化ジルコニウム8%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
乳白釉
(珪酸質) |
通常、珪酸質の乳白釉はワラ灰やモミ灰を使用して調合される事が多く、一般的である。
土石を利用した珪酸質の乳白釉の貫乳に墨入れや弁柄を入れた物なども見受けられる。
酸化金属を添加した場合の色調の変化には乏しい。 |
@福島長石 32.25% 福島珪石 45.83% 韓国カオリン 6.91%
石灰石 12.51% マグネサイト 2.50%
A釜戸長石 41.65% 福島珪石 36.59% 韓国カオリン 6.68%
石灰石 12.57% マグネサイト 2.51%
B平津長石 41.07% 福島珪石 41.39% 韓国カオリン 4.52%
石灰石 10.85% マグネサイト 2.17%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
マット釉
(アルミナ質) |
カオリンを供給源にした艶消し(マット)釉で、質感が非常に柔らかい。
その分、多少汚れやすい面もありますが、各種酸化金属を様々な分量で添加する事で、伝統の釉薬には無い色調が得られます。 |
@福島長石 9.30% 福島珪石 20.92% 韓国カオリン 33.20%
石灰石 31.41% マグネサイト 2.25% 炭酸バリウム 2.92%
A釜戸長石 11.97% 福島珪石 18.23% 韓国カオリン 33.16%
石灰石 31.45% マグネサイト 2.26% 炭酸バリウム 2.93%
B平津長石 13.08% 福島珪石 20.56% 韓国カオリン 31.32%
石灰石 30.08% マグネサイト 2.16% 炭酸バリウム 2.80%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
マット釉
(バリウム系) |
カオリンや長石からアルミナ分を得るタイプの、アルミナとバリウムの艶消し釉
アルカリ成分をリチウムに置き換えてありますが、このようにアルカリ成分を置き換えて、様々な酸化金属類を添加する事で、著しく発色が変化する場合があります。
酸化チタンなども有効でしょう。 |
@福島長石 70.07% 韓国カオリン 8.43% 石灰石 1.04%
炭酸リチウム 4.02% 炭酸バリウム 16.92%
A釜戸長石は珪酸分過剰となり適さない。
B平津長石 77.18% 福島珪石 2.78% 韓国カオリン 3.57%
石灰石 0.78% 炭酸リチウム 3.01% 炭酸バリウム 12.68% |
よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
マット釉
(珪酸質) |
珪酸分とマグネシア分による艶消し釉。
少々、冷たい印象の艶消しですが、格調の高いものが得られ易く、酸化金属の投入では、コバルトですみれ色となり、クロームでは薄緑色となります。 |
@福島長石 39.25% 福島珪石 24.11% 韓国カオリン 10.38%
石灰石 11.45% マグネサイト 14.81%
A釜戸長石 50.76% 福島珪石 12.72% 韓国カオリン 10.12%
石灰石 11.51% マグネサイト 14.89%
B平津長石 48.59% 福島珪石 22.28% 韓国カオリン 7.01%
石灰石 9.64% マグネサイト 12.47%
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よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |
亀甲貫入釉
(氷裂貫入釉) |
郊壇官窯の青磁のような、二重、三重の複雑に重なった貫入の入る釉薬。
亀の甲羅のような形に見えたり、氷の割れ目のように見える事から、亀甲貫入と呼ばれたり、氷裂貫入などと呼ばれる。
調合よりむしろ、素材が大切であり、特に釉薬と素地の膨張差を以下にするかが成功の鍵となる。 |
@福島長石 88.84% 福島珪石 0.23% 石灰石 5.89%
炭酸ストロンチウム 4.93%
A釜戸長石は珪酸分過多で適合せず。
B平津長石 91.47% 福島珪石 3.88% 石灰石 4.12%
炭酸ストロンチウム 3.70% |
よく使用される三種の長石による調合例ですが、成分的には同一のものとなります。 |