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名称 |
説明 |
あ行 |
青織部 |
美濃地方で焼かれた、透明釉薬に銅分を加え緑色に発色させた釉薬。
古陶のそれは、釉薬が流れ独特の景色となっている物が多く、アルカリ分の多い組成の釉薬を用いた事が想像される。 |
あ行 |
亜鉛結晶釉 |
釉中に珪酸亜鉛の結晶を目に見える程に大きく発達させた釉薬。 |
あ行 |
飴釉 |
比較的アルカリ分の多い透明釉に鉄分が多量に溶け込んだ釉薬。
濃い飴色を呈する。 |
あ行 |
赤織部 |
鳴海織部で使う赤土を素地に使い、鉄絵文様や白化粧土で装飾されたもの。 |
あ行 |
赤楽 |
瀬戸市水源地付近から産出された鳴海織部などで琵琶色に発色する化粧として使用されるもの。 |
あ行 |
赤楽2 |
赤く焼いた楽茶碗。 |
あ行 |
亜鉛華 |
酸化亜鉛。媒溶剤として用いる。
また亜鉛結晶釉薬の主原料。 |
あ行 |
天草陶石 |
熊本県天草から産出する磁器の主原料。 |
あ行 |
油揚手(あぶらげで) |
黄瀬戸の釉調を指す言葉で油揚げのような表面を持つものを云う。 |
あ行 |
菖蒲手(あやめで) |
黄瀬戸の釉調を指す言葉で、良く解けた透明の黄色いものを指す。
この釉調の鉢にアヤメの絵が描かれていた処からこう呼ばれる。 |
い行 |
井戸茶碗 |
現在の韓国の慶尚南道付近で焼かれたのではないかと言われる典型的な椀型茶碗。
色は琵琶のようなオレンジ色がかった物や黄色の強い物がある。
釉は長石質単味と思われ、整形は悪く言えば”飽きが来た”ような手抜き状態、しかしそれが素晴らしいくらい人為的な整形を感じさせない仕上がりとなっている。
高台付近の釉薬の縮れを”かいらぎ”と呼ぶが、喜左右衛門井戸などは、むしろ窯入れ時の水蒸気かなにかの影響で捲れあがったように見える。 |
い行 |
伊羅保 |
韓国で焼成された粉青沙器の一種であるが、作りは粗末で釉薬も土に木灰を混ぜただけの物が多いが、この粗末さが還って日本人、特に茶人の美意識に合ったと思われる。 |
い行 |
インド長石 |
インドから産出する正長石で、典型的なカリ長石である。 |
い行 |
出石(いずし)陶石 |
柿谷陶石ともいう、兵庫県産出の磁器の主原料。 |
い行 |
柞灰 |
九州で採れる。主に磁器の染め付け釉に使用されている。 |
い行 |
影青(いんちん) |
中国の景徳鎮で焼かれた青白磁。
釉薬は青磁とは異なり珪酸分に富んだ透明釉薬。 |
う行 |
うばめ樫(姥目樫) |
備長炭の原材料となるブナ化の照葉樹。 |
う行 |
卯の斑(うのふ)釉 |
斑状に白濁した釉薬で素地土と釉薬の関係で成立する。 |
え行 |
鉛白 |
塩基性炭酸鉛の別名 |
え行 |
鉛丹 |
赤色酸化鉛、四三酸化鉛 |
お行 |
オパールラスター釉薬 |
鉛(主に鉛白を使用)を主体とした釉薬にメタバナジン酸アンモニウムなどを加え、白い釉薬の上に虹色の虹彩を浮かび上がらせる釉薬。 |
お行 |
鬼板 |
美濃瀬戸地方で多用された鉄絵の具。
産出状態が鬼瓦のようである事が多い為にこの名前が付いたと言われる。
褐鉄鉱の一種と言われる。 |
お行 |
織部黒 |
瀬戸黒と同じ焼成方法で焼かれたもの。 |
お行 |
大平長石 |
カリ成分を多く含む長石。 |
か行 |
柿釉 |
比較的酸性成分の少ない釉薬に、鉄分が多量に溶け込んだ際に生まれ易い柿色のを呈する釉薬で
中国の定窯などが有名である。 |
か行 |
釜戸長石 |
岐阜県瑞浪市の釜戸鉱山で採掘されていた長石。
アプライト質で高珪酸分の長石質原料。 |
か行 |
カオリナイト |
カオリナイトの名は中国の有名な粘土の産地である江西省の高嶺(カオリン:Kaoling)に由来する粘土鉱物である。
また同質の粘土はカオリン(Kaolin)と呼ばれる。 |
か行 |
蛙目粘土 |
二次堆積粘土で、未分解の珪石類が光って見える様がを蛙の目に例えてこう呼ばれたと言われる |
か行 |
金丸長石 |
新潟県から産出するカリ系長石。 |
か行 |
貫入土 |
瀬戸地方で使用される半磁器粘土。 |
か行 |
カシ灰(樫灰) |
珪酸分に富んだ灰。 |
き行 |
黄瀬戸 |
桃山時代頃から美濃地方で焼かれた灰釉陶器で、黄色味を帯びた物である。
むしろ現在、黄瀬戸と聞いて思い浮かべるのは、故加藤唐九朗氏の作品の方かもしれない。
多くの作家の方の作品は、桃山陶よりも加藤陶を追いかけているように見える。
簡単に言えば、高アルカリ、高珪酸の灰釉と高耐火度の胎土から生まれる焼き物で、似た物として、黄伊羅保があるが化学的にも対局に位置し、全くの別物である。 |
き行 |
鈞窯 |
中国北方で月白釉に銅を加味した装飾的な焼き物を産出した窯である。
日本の釉薬の本にしばしば調合例が載っている「鈞窯釉」は、澱青釉と呼ばれる物に近い。
汝窯と地理的にも近く、密接な関係が伺われるが、鈞窯で使用した胎土は薄茶色に焼ける耐火度の高い物であったらしく、これが影響して釉には斑模様が現れているようである。 |
き行 |
亀甲貫入釉薬 |
素地の膨張率を小さくし、釉薬のそれを大きくした際に生まれる多角形で何重にも重なった貫入を持つ釉薬。 |
き行 |
吉州窯 |
玳玻盞天目や木の葉天目を焼成した、中国南部の窯場。 |
き行 |
木節粘土 |
二次堆積粘土で、木質の有機成分を含んでいるケースが多い為にこのように呼ばれたと言われる |
き行 |
黄天目 |
茶洋窯あたりで焼かれたのではないかと推測される、黄色く発色した天目茶碗。 |
き行 |
来待石 |
凝灰岩質岩石の風化物で鉄釉の原料として使われる。 |
き行 |
黄の瀬土 |
信楽から産出する一種の蛙目粘土。
耐火度が高くない為に灰が被りやすく成分のアルカリに依って緋色も出やすい粘土。 |
き行 |
北澤健次 |
粉引き一筋に打ち込む求道者的名工。 ?? |
き行 |
木下かっちゃく |
熱唱? |
く行 |
黒楽 |
主に加茂川石の類を使用し、高温度になってから窯に入れ融けた頃合いを見計らって引き出して急冷されたもの。 |
く行 |
クレオライト |
氷晶石という鉱物の粉末で、フッ素成分の補給に使われる。 |
く行 |
黒浜 |
四三酸化鉄の別名。黒色酸化鉄。 |
く行 |
黒織部 |
織部黒のように全体に鉄釉を掛けるのではなく、一部分窓抜きにし、その部分に鉄釉で文様を描きその上に白釉を掛けたものを黒織部という。 |
く行 |
黒天目釉 |
鉄分だけを着色剤とした黒い釉薬。
高アルミナ、高珪酸分の透明釉に鉄分が溶け込んだ物。 |
け行 |
建窯 |
中国は福建省の後井村、池中村一帯に存在した南宋時代の窯。
主な生産物は兎毫盞(禾目天目)であり、油滴天目茶碗、曜変天目茶碗もココで焼かれた物であり、兎毫盞(禾目天目)の変種と考えるのが妥当である。 |
け行 |
珪灰石 |
ウォラストナイトという鉱物で珪酸分とカルシウムに富んでいる。 |
け行 |
珪石 |
純度の高い物が得られやすい珪酸質の岩石。
条件が整えば水晶となりやすく、珪石鉱山ではほとんどの鉱山で水晶が得られる。 |
け行 |
建盞 |
建窯で焼かれた盞型の茶碗の総称。 |
こ行 |
粉引き |
韓国の南部で焼かれた、鉄分の多い胎土に白い土を上掛けした焼き物。
名品「三好」の三日月型に黒ずんだ部分を、化粧土がのっていないと勘違いして写しを作る人がよくいるが、あれは、釉薬が掛かっていない為に白い化粧土が汚れたものである。 |
こ行 |
木の葉天目 |
黒い天目釉薬の上に天然の木の葉を置いて、その姿を浮かび上がらせた、玳玻盞の一種とされている。 |
こ行 |
御本手 |
鉄の発色である。昇温期のある磁器に還元焼成し最終的に酸化炎とした場合に出やすい。
適正に荒い素地を使用したり、鉄分の含まれる素地に白化粧した場合に特に出やすい。
粉引きの作家はこれが出ないように苦心している。 |
こ行 |
呉須 |
コバルトを着色成分とする絵の具で、主に青花に使用される。
元々は天然の呉須が採取されていたが、現在では人工的に生産されている。 |
こ行 |
黒曜石 |
ガラス質の鉱物。流紋岩の系統の鉱物。 |
こ行 |
黒陶 |
低温土でいぶし焼きされた陶器。 |
こ行 |
高麗青磁 |
朝鮮半島で、1100年代に焼かれた青緑色の青磁が有名。
素地に白土と赤土の二色で象嵌された物が有名。 |
こ行 |
コーンウォール石 |
コーニッシュストーンとも呼ばれる英国で使用されている長石質の原料。 |
こ行 |
コバルト |
原子番号 27 の元素。元素記号は Co。鉄族元素の一つ。
青色系統の着色剤として主に使用されるが、時として結晶釉の主成分となりピンク色などを発色する。 |
こ行 |
骨灰 |
主に牛の骨を焼いて作り、燐酸カルシウムに富んでいる。 |
さ行 |
酸化鉄 |
一般的に弁柄のように粒子が細かくなく、黒ずんだ色をした酸化第二鉄の事をいう。 |
さ行 |
酸化銅 |
黒色をした銅の酸化物。 |
さ行 |
砂婆 |
瀬戸地方で使用される風化した花崗岩。 |
さ行 |
サヌカイト |
ガラス質の鉱物、高マグネシア安山岩。 |
さ行 |
砂金石釉 |
アベンチュリン釉と呼ばれる事が多い。
キラキラとした細かな金属結晶が析出した釉薬で鉄成分の他酸化銅やクロムなども使われ、様々な発色とし、様々な別名が付けられている。 |
し行 |
志野 |
桃山時代から美濃地方で焼かれた、長石質の石の粉と高耐火度の土による焼き物。
桃山時代の志野は、現在みられるような緋色が極端に現れた物は少なく、現在の志野は故荒川豊蔵氏や加藤唐九朗氏の影響下にあると考えられる。 |
し行 |
汝窯 |
最高水準の青磁を焼いたとされる中国北方の窯である。
その器形は青銅器を目指したといわれるが、器の色合いからも納得出来る設ではある。
最高の青磁は高珪酸質の釉薬から生まれるようである。 |
し行 |
辰砂 |
その起源は鈞窯あたりにも見受けられるが、透明釉に銅の成分を加え還元焼成して真っ赤な色合いを出した物である。 |
し行 |
ジオプサイト結晶釉薬 |
Mg,Si,Caの三種の元素からなる透輝石が析出する結晶釉薬。
比較的容易に大きな結晶が得られる。 |
し行 |
蒸着ラスター |
一度焼成された器の上から、蒸気による塩化金属などを吹き付けて、虹色の虹彩を発色させる技法で、西洋食器やガラス器などに多用される。
この技法を黒い天目釉薬の上から行い、曜変天目を再現したと発表した作家もいるが論外である |
し行 |
蝦蛄斑 |
文献には存在するが、未だにそれがどのタイプの建窯の釉調を指すものかが定かではないもの。
静嘉堂文庫所蔵の油滴天目の大椀が、この鳥の模様に似ていると思うのですが・・・・・ |
し行 |
締め焼き |
予め釉薬を施さずに素地のまま焼成された焼き物。
備前焼きは名高い。 |
し行 |
志野織部 |
大窯で焼かれた志野(古志野)に対して、登り窯で焼かれた志野を志野織部と呼ぶ。
釉薬も薄くなり、反面鉄絵はクッキリと見える物が多いが緋色はほとんどない。 |
し行 |
白萩釉 |
藁灰によって白濁させた釉薬をこのように呼んでいるようであるが、長石の単味に近い釉薬で作製された物の方が格調が高い。 |
し行 |
正円子(しょうえんじ) |
金で作られた、高温度で紅色を出す上絵の具。 |
し行 |
ジルコニウム |
ジルコニウム (Zirconium):原子番号 40 の元素。元素記号は Zr。チタン族元素の一つ、遷移金属でもある。
主に白濁剤として使用される。 |
し行 |
CMC |
カルボキシメチルセルロース(Sodium Carboxymethylcellulose)
接着剤や沈殿防止剤として使用される。 |
す行 |
錫 |
原子番号50の元素で、元素記号は Sn。
白濁剤や鉱化剤として利用される。 |
せ行 |
青磁 |
古来より灰釉薬が還元されて生まれた青から緑色をした焼き物。
南宋時代の汝窯で焼かれた青磁は至宝と言われるが、これは鈞窯の月白釉と極めて近縁の物と思われ、胎土の違いに依って違った焼き物のように感じられるのではないだろうか。
日本の黄瀬戸が青磁を目指して失敗した物であると言われる事があるが、器形からしても、確かにその可能性はあるが、酸化焼成と還元焼成の相違ともう一つ、釉薬の組成が黄瀬戸にはカルシウム分が多すぎたせいもある。 |
せ行 |
瀬戸黒 |
志野の色見に使われたとも云われるが、詳細は不明である。
灰と鬼板類を混ぜただけと思われる釉薬を掛け、高温度で引き出したもの。 |
せ行 |
石灰 |
そのほとんどは海性生成物で、日本はこの資源には恵まれている。
成分は炭酸カルシウムを多量に含有する。 |
せ行 |
青花 |
磁器の下絵にコバルト顔料を使用して絵付けする技法。
いわゆる呉須染付けのこと。 |
せ行 |
セルジアン |
バリウム長石のこと。 |
せ行 |
セリサイト |
絹雲母
しばしば磁器粘土の主成分としても含有されている。 |
そ行 |
そぶ |
鉄分を多く含んだ川などに沈殿して出来た鉄分。
鉄絵の具などの材料として使用される。 |
そ行 |
蕎麦釉 |
マグネシウム分を結晶化させた釉薬。 |
そ行 |
祖母壊 |
愛知県瀬戸市の古窯の存在した地域。 |
そ行 |
総織部 |
全体に、銅緑釉(灰釉に銅を混ぜて作られる釉薬 織部釉とも言われる)が掛けられたもの。 |
そ行 |
ソーダ灰 |
炭酸ナトリウムの別名。 |
た行 |
玳玻盞(たいひさん) |
吉州窯で焼かれた天目。
黒い天目釉の上に型紙を置き、その上から白い釉薬を掛けで型紙を外し、その模様を黒く浮かび上がらせた技法。
木の葉天目も玳玻盞の一種とされている。 |
た行 |
膽礬(たんばん) |
水溶性の銅分のこと。
硫酸銅か塩化銅が考えられるが、おそらくは天然の硫酸銅。 |
た行 |
タングステン酸結晶釉 |
知る限りでは、故藤井茂夫氏が開発した、星形に虹色の効果を持たせた結晶釉薬。 |
た行 |
タルク |
滑石という岩石の粉末。
主にマグネシウム原料として使用されている。 |
た行 |
対州長石 |
長石と言っているが、流紋岩の粉末で珪酸分が多く耐火度高。 |
た行 |
炭酸銅 |
織部や辰砂、鈞窯釉、トルコ青釉などに使用される銅の炭酸化合物。
酸化銅に比べ拡散性が良く、「緑青」と同じ成分であるが、実際には塩基性炭酸銅がつかいよい |
た行 |
炭酸ストロンチウム |
天然にはストロンチアン石として産出する、媒溶剤として用いるが石灰と同程度の媒溶力。 |
た行 |
炭酸リチウム |
わずかに水溶性であり強力な媒溶力がある。 |
た行 |
炭酸バリウム |
重晶石から抽出する媒溶剤。胃の検診で飲むのは硫酸バリウム。 |
た行 |
タングステン |
金属元素の一つで、元素記号は W である。原子番号は74であり、原子量は183.84である。
着色剤としてはあまり利用されないが、化合物は結晶釉の虹色成分などに使用される。 |
ち行 |
茶洋窯(ちゃようよう) |
灰被天目を焼いた中国南部の窯場。 |
ち行 |
チタン結晶釉 |
高アルカリ釉にチタンを配合し結晶化を促進した釉薬。 |
ち行 |
中国カリ長石 |
中国産の長石で、アルカリがカリに偏っている。 |
ち行 |
中国ソーダ長石 |
中国産の長石で、アルカリがナトリウムに偏っている。 |
ち行 |
中国黄土 |
黄河流域で産出する鉄分を多量に含んだ黄色い土。 |
ち行 |
朝鮮カオリン |
朝鮮半島から産出するカオリナイトを主成分とする粘土で、花崗岩質岩石を元とする場合が多い |
ち行 |
千倉石 |
瀬戸地方で用いられた風化長石の一種。 |
ち行 |
チタン |
原子番号22の元素。元素記号はTi。チタン族元素の一つで、金属光沢を持つ遷移元素である。
チタンの性質は化学的、物理的にはジルコニウムに近い。
白濁剤、結晶成分、鉱化剤などに使用される。 |
つ行 |
ツバキ灰(椿灰) |
幹の灰は非常にカルシウム分に富み、葉の灰はアルミナとカルシウム分に富んでいる。
種子の灰は燐酸分に非常に富んでいる。 |
て行 |
定窯 |
黒定や柿定などと呼ばれる、一種の天目釉を用いた陶器を焼成した窯場。
定窯白磁はミルキーホワイトと呼ばれるアイボリー色で、後に西洋人に好まれ、ボーンチャイナのお手本になったとも云われている。 |
て行 |
鉄赤釉 |
近代に生み出された、それほど酸化成分の多くない釉に鉄分と燐酸分を多量に配合させた釉薬で
赤色に発色する。 |
て行 |
鉄 |
鉄(てつ、鐵)は原子番号 26の元素、元素記号は Fe
川崎製鉄とNKKが合併して出来た会社「JFE」のFEはこの鉄の元素記号である。
釉薬の着色としては実に様々であり、組成によって黄、飴、黒、赤、青、緑、虹色、白銀色など
に変化する。 |
て行 |
滴珠 |
中国では油滴天目の事を滴珠と呼ぶ。 |
て行 |
デキストリン |
dextrinは数個のα-グルコースがグリコシド結合によって重合した物質の総称で、かつては糊精(こせい)とも呼ばれた。食物繊維の一種であり、デンプンの加水分解により得られる。
沈殿防止剤などに使用される。 |
と行 |
兎毫盞(とごうさん) |
建窯の主産品で日本では禾目天目と呼ばれる。
多くは黒い天目釉の口縁から茶色のスジ状の線模様が垂れるが、希に青銀白色色を現した物があるが、これは曜変天目に通ずるものがある。
この色は遊色を示し見る角度で青銀白色に見える部分が動いて見える。 |
と行 |
桃花紅 |
辰砂の一種でピンク色に発色したものを差す。
紅珪酸質の失透釉に銅分が溶け込んだ物であろう。 |
と行 |
ドロマイト |
主に媒溶材として使用される白雲石の粉末。
主成分はカルシウム分とマグネシウム分。 |
と行 |
トルコ青釉 |
高アルカリ釉に銅が溶け込んだ釉薬。
酸化焼成にて得られる青色であるが、素地は磁器質である事が望ましく、礬土質であると緑色の発色となってしまうが、失透させた釉薬ではその限りではない。 |
と行 |
銅 |
銅(どう、Copper)は、赤褐色の光沢を放つ原子番号 29 の金属の一種。元素記号は Cu
釉薬の着色としては、酸化焼成で緑と青、還元焼成で赤からピンク色を示す。 |
と行 |
鳥屋根珪石 |
非晶質部分の多い珪石の粉末。 |
と行 |
トチシブ |
実際にはトチのアクではなく、ブナ科クヌギのぼうしから抽出されるアルカリ成分。
青織部の酸化被膜除去などに使用される。 |
と行 |
銅ヘゲ |
過酸化銅のこと。
古い青織部釉はこれを用いていたといわれている。 |
と行 |
土灰 |
特定の単一樹種の灰ではなく、様々な灰の混合物。 |
な行 |
鳴海織部 |
青織部の一部に透明釉薬を掛け分け、鉄絵を施した織部。
鉄絵部分の素地には琵琶色系統の発色を見せる物が多い。 |
な行 |
南郷長石 |
滋賀県で採掘される、カリ長石の一種。 |
な行 |
ナラ灰(楢灰) |
カルシウム分に富んだ灰で鉄分もあまり多くはない。 |
に行 |
ニッケル |
ニッケル (Nickel) は、金属元素の1つ。銀白色の金属で鉄族に分類される。
元素記号はNi、原子番号は28で、原子量は約58.69
釉薬の着色剤としては主に褐色系であるが、組成によって青や黄、紫色なども呈する。 |
ぬ行 |
抜け膽礬 |
黄瀬戸に施された膽礬が水溶性の為に裏側まで浸みだした様子。 |
ね行 |
熱勝赤石粉 |
単味で柿釉、長石と混合する事で黒天目釉や飴釉薬などに利用できる火成岩の粉末。
長石や珪石の混合物に酸化鉄を加えた釉薬にくらべ天然原料特有の風合いが得られる。 |
ね行 |
熱勝黄瀬戸釉薬 |
酸化焼成だけでも黄色の濃い発色が得られるオリジナルの釉薬で天然原料のみ使用される。 |
ね行 |
熱勝黄瀬戸土 |
黄瀬戸の発色は難しいものであるが、熱勝黄瀬戸釉と、この熱勝黄瀬戸土を組み合わせる事で比較的簡単に黄瀬戸の発色が得られる。 |
ね行 |
熱勝織部土 |
青織部用に配合された粘土は、織部の発色が冴える。 |
ね行 |
熱勝そぶ |
熱勝オリジナルのそぶ |
ね行 |
熱勝水打粘土 |
熱勝オリジナルの水打粘土 |
ね行 |
熱勝赤鉄鉱粉 |
熱勝オリジナルの赤鉄鉱の粉末で、鉄絵の具や釉薬の鉄成分として使用される。 |
ね行 |
鼠石灰石 |
白い石灰石に比べ、非晶質部分の多い石灰石。 |
ね行 |
ネフェリン |
霞石閃長岩のこと。
珪酸成分は少なめで、アルミナ成分が多く含まれている。 |
の行 |
禾目天目 |
兎毫盞(とごうさん)の日本名 |
の行 |
のんちゃん |
給食時間におしゃべりしていて昼休みが終わった事に気づかず、お弁当を食べきれない人のこと |
は行 |
灰被天目茶碗 |
釉薬を二重掛けにした天目で、時として銀化している部分がある。 |
は行 |
灰かぶり |
薪窯で得られる、焼成中に器物に木灰が降りかかった物。
針葉樹を燃料にした場合油分が多く燃え尽きる為に灰は掛かり難く、広葉樹の灰の方が被り易い |
は行 |
バナジウム |
原子番号 23 の元素。元素記号は V。バナジウム族元素の一つ。
着色剤としての利用は少ないが、化合物はラスター釉の虹色成分として使用される。 |
ひ行 |
平津長石 |
滋賀県で採掘される長石で、風化した箇所は志野釉薬に多く利用される。 |
ひ行 |
広見石 |
瀬戸地方で使用される、砂婆からさらに珪酸分を減らしたような長石質の石粉と言われる。 |
ひ行 |
火襷(ひだすき) |
締め焼きを行う際に、重ねる時に間に挟んだワラなどのアルカリと素地の鉄分が反応して出来た緋色の模様。 |
ひ行 |
ビスマス化合物 |
しばしばラスターの原料として使用される。
人間の血液中にも含まれている。 |
ふ行 |
粉青沙器 |
韓国の焼き物、井戸や粉引き、三島などを総称してこう呼ぶ事がある。 |
ふ行 |
福島長石 |
元々は福島県から産出したカリ長石であるが、枯渇し現在では成分を他の長石を使用して調合している物が流通している。 |
ふ行 |
福島珪石 |
非常に純度の高い珪酸分を含んでいる。 |
ふ行 |
分相釉 |
鈞窯の月白釉や建窯の釉薬のように釉薬自体が焼成中に分相するもの。 |
へ行 |
弁柄 |
酸化第二鉄。
硫化鉄を焼いて作られた酸化第二鉄で、粒子が細かく赤い色をしている。
天然の酸化第二鉄の鉱石である赤鉄鉱や鏡鉄鉱も研磨すると真っ赤な粉末が出来る。 |
へ行 |
ペタライト |
葉長石のこと。アルカリ分としてリチウムを含む。
耐熱の鍋土などにも混入される。 |
へ行 |
ベントナイト |
主成分はモンモリロナイトでゲル状にななり易い。
粘土に粘性を増やす時などに使用される。 |
ほ行 |
堀一郎 |
現代を代表する、志野、瀬戸黒の名匠。 |
ほ行 |
蛍石 |
主にフッ素成分を得る為に使われる。 |
ほ行 |
ポリエチレングリコール |
ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、略称 PEG)は、エチレングリコールが重合した構造をもつ高分子化合物(ポリエーテル)である。
糊剤や沈殿防止剤に使用される。 |
ま行 |
マンガンラスター釉 |
多量のマンガンと鉛(主に鉛白を使用)を含んだ釉薬に、メタバナジン酸アンモニウムなどを混合して虹色、石油を水に垂らしたような発色をさせる釉薬。 |
ま行 |
マンガン結晶釉 |
マンガンを結晶化させた釉薬であるが、何故かあまり見かけない。 |
ま行 |
マグネサイト |
菱苦土鉱という鉱物の粉末でマグネシウム成分を得る為に使用されている。 |
ま行 |
マンガン |
マンガン (Manganese):原子番号 25 の元素。元素記号は Mn。
マンガンは単体としては産出せず、二酸化マンガン(軟マンガン鉱:MnO2)、菱マンガン鉱(MnCO3)などとして産出する。深海底には、マンガン、鉄などの金属水酸化物の塊であるマンガン団塊(マンガンノジュール)として存在している。
釉薬の着色剤としては、組成によって褐色系、紫色系となる。近年ではマンガンラスター釉薬としても利用されている。 |
ま行 |
益田長石 |
島根県に産出するどちらかといえばカリ分の多い長石。 |
ま行 |
マラカイト |
天然の炭酸銅鉱物で孔雀石と呼ばれる。 |
ま行 |
松灰 |
主に赤松の灰で、比較的珪酸分もカルシウム分も多く含まれている。 |
ま行 |
豆殻灰 |
非常に燐酸分に富んでいる。 |
み行 |
水打粘土(みずたれ) |
鉄分を多く含んだ水底などに沈殿した鉄分を多く含んだ泥。
鉄絵の具や釉薬の材料として使用される。 |
み行 |
三島手 |
粉青沙器の一種で、鉄分の多い胎土に溝を作り、そこに白い粘土を象嵌する技法。
三島暦の模様に似ている事から名付けられたと言われている。 |
み行 |
三雲長石 |
滋賀県で採掘される、高珪酸質の長石で白濁し易い特徴がある。 |
む行 |
村上粘土 |
新潟県から産出された絹雲母を主成分とする粘土。 |
め行 |
メタバナジン酸アンモン |
マンガンラスターやオパールラスターの虹色の発色に用いる。 |
も行 |
もぐさ土 |
一般的には美濃地方で使われる言葉で、志野などに使用する土で、耐火度が高くばさついた物の事を呼ぶようです。
特に定義のようなものはなく、一般的に使われる言葉。 |
も行 |
モンモリロナイト |
ギリシャ語で「石けん」を意味するスメクタイト、またはベントナイトと呼ばれる種類に属する「粘土の成分」で、数ある粘土鉱物の中で最も粒子の小さい結晶体 |
も行 |
モリブデン |
原子番号 42 の元素。元素記号はMo。
着色剤としての利用は少ないが、鉱化剤として利用される。 |
や行 |
薮原長石 |
長野県から産出した長石であるが、現在は枯渇して産出していない。
透明釉薬などには適していたが残念である。 |
ゆ行 |
油滴天目茶碗 |
中国の建窯にて焼かれた青白い光彩を放つ斑紋を持つ茶碗。
この青白い光彩は見る角度によってこのように見える部分が動いて見える遊色効果を示す。
時として斑紋は茶色味を帯びるが、非常に品格が高く、どちらも兎毫盞(禾目天目)の条痕が流れずに、丸く現れた物であろうと考えられる。
磁州窯で焼かれた斑紋のある茶碗も油滴天目と呼ばれるが、全くの別物である。 |
ゆ行 |
油滴天目釉 |
中国北方の磁州窯系の窯で焼かれた油滴天目と同じ釉薬。
鉄分から出る酸素の跡に酸化鉄が集まり茶色や銀色に見える物。
建窯の油滴とは全くの別物で、格調は無い。 |
ゆ行 |
釉裏紅 |
コバルト顔料を用いた青花と同じように、磁器の下絵として銅化合物を使用し赤い発色を得る技法のこと。”ゆうりこう”や”ゆうりほん”と呼ばれる。 |
よ行 |
曜変天目茶碗 |
建曜で焼かれた物で、兎毫盞の変種と考えられる。
その色合いは青銀白色に光彩を放ち、見る角度でこのように見える部分が動いて見える遊色効果を示すがこれは兎毫盞、油滴と共通のものが存在する。
未だ、建曜の曜変天目茶碗を完全に再現した人はいない。
独特の模様は、釉薬の成分から成る物ではなく、ある焼成時のトラブル(と呼んでおく)によるとの設がある。
またこの紋様は結晶釉ではないと云われる。 |
ラ行 |
ラテライト |
ラテライト( Laterite )は成帯土壌と呼ばれるもののうち、湿潤土壌に分類される土壌のひとつである。ラトソル、ラトゾルとも呼ばれる。 サバナや熱帯雨林に分布する。無機質の酸化物に富んだ赤土でありアルミナ分に富む場合が多く赤い色をしている。
中国の建窯付近の素地土はこれである。 |
ら行 |
ラスター |
銀化、光彩を放つ被膜。
鉛類を使用したり、塩化物で蒸着したり、樹脂酸塩の絵の具を作って焼成した釉薬の上に塗布して再度焼成すると得やすい。 |
り行 |
龍泉窯 |
中国南部で青磁を製造した窯として名高い。
汝窯の製品ほどの格調はないと思うが、これは透明灰釉薬を還元焼成した青磁である。 |
り行 |
龍窯 |
建窯で使用されていたと云われる、細長く大きな窯。 |
り行 |
李朝白磁 |
朝鮮半島、李王朝時代に焼かれた白磁で、奇をてらった処がなく素朴な白磁。 |
り行 |
リンゴ灰(林檎灰) |
枝や幹の灰はカルシウム分に富んでいる。
種子の灰は珪酸分、アルミナ分、燐酸分に富んでいる。 |
り行 |
リテック |
建窯、鉄釉の研究、曜変天目の秘密を唯一知っていると云われる。 |
る行 |
ルチール |
天然のチタン鉱石。
ルチール結晶釉薬や黄色系の着色剤として利用される。 |
ろ行 |
蝋石 |
カオリンよりもアルミナ分に富む、高耐火度の鉱物で、白化粧土などの成分として使用される。
パイロフィライトと石英が主成分。 |
ろ行 |
緑礬(ろうは) |
天然の硫化鉄のこと。
これを焼いて弁柄が作られていた。 |
わ行 |
藁(ワラ)灰 |
脱穀後の稲ワラを焼いて作った灰。
近年のコシヒカリ系の灰は白く濁り難い。 |
わ行 |
藁白釉 |
稲ワラの灰を白濁成分とした釉薬。 |